先日実施したキャリアコンサルタント更新講習にご参加いただいた方から、大変嬉しいご感想をいただきました。
「退職したい」クライアントへの向き合い方
先日のキャリアコンサルタント更新講習では、「仕事と更年期障害の両立支援」をテーマに事例検討を行いました。
いただいたご感想の中で印象的だったのは、私が講習で問いかけた「もし、『退職したいんです』という前提でクライアントが来たらどうしますか」という質問についてでした。
「最後に、講師の越さんが質問された、「「退職したいんです」という前提でクライアントが来たらどうしますか」という問いが印象的である。クライアントの要望をそのまま受け止めるだけではなく、中長期的な視点で、退職したらどうなるか、数年後までちゃんと考えているか一緒に考えること、キャリアコンサルタントとしてはいったん立ち止まることも必要だという点が大きな気づきであった。」
このコメントを拝見して、キャリアの意思決定において、私自身が意識している大事なことに、改めて向き合うことになりました。そもそも、自分が講習の中で、話したことなのですが、こうしてフィードバックいただくと、意識化されますね。コンサルティング中の要約や伝え返しの効果を実感しました。
表面的な「辞めたい」の裏にある本当の願い
先日の事例検討は、「仕事と更年期障害の両立支援」をテーマにした講習でしたので、両立支援を前提に進めていきました。
しかし、もしクライアントが「辞めたい」と相談してきた場合、私たちはその言葉をそのまま尊重するべきなのでしょうか?
もちろん、その時の状況から「辞めたい」と言わざるを得ないのかもしれません。しかし、そこで立ち止まって考える必要があるのが、「本人が本当に願っていることは何なのか?」という問いです。
私は、クライアントの表面的な言葉だけでなく、その奥にある本当の願いに寄り添い、中長期的な視点を持って支援していくことを心がけています。
- この先、仕事をどうしたいと思っているのか?
- 経済的な見通しはどう思っているのか?
- 今、退職したとして、再就職の見通しはどうなのか?
「退職」という大きな意思決定をする前に、「考えるべきこと」を一緒に考え、本当に納得のいく選択ができるようサポートすること。これが、キャリアコンサルタントとして非常に重要な役割だと考えています。
意思決定に最適なタイミングを見極める
もう1つ重要なのは、「それを考えられるタイミングなのか」という視点を大切にしています。
例えば、精神的に不安定な状況にある場合、重要な意思決定は避けるべきだと私は考えています。そのような時は、「今は決めない」と決めることも、クライアントにとって大切な選択ではないでしょうか。
これには、「投影バイアス」が影響しているのではないかと考えています。次のブログでご紹介しようと思います。
今回のご感想を通して、キャリアコンサルタントとしてクライアントに深く寄り添い、その人生に本当に役立つ支援を提供することの重要性を改めて考えることができました。
改めて、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
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