ビジネスリーダーのための心理学
リーダーシップ・トレーニングにおいて、自己認識(セルフ・アウェアネス)という言葉がよく聞かれるようになりました。 自己認識とは、自分の感情、長所、短所、欲求、衝動を深く理解することであり、スタンフォード大学経営大学院の調査に おいて、リーダーが伸ばすべき最大の能力の筆頭とされています。
自己認識を高めることは、上司や同僚、部下と生産的な関係を築き、効果的なリーダーシップ・スタイルを発達させ、 チームの成果を最大化するために重要なトレーニングです。
「自己認識」(self-awareness)は、マネジメントの最新の流行語となっているようだ。そして、それには十分な根拠がある。 研究が示すところによれば、自分について明確に認識している人は、より自信があり、より創造的である。より適切な 判断を下し、より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い。嘘をついたり、だましたり、盗んだりする 可能性が低い。仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい。そして、より有能なリーダーであり、その部下の満足度は 高く、会社の収益向上にも貢献している。ハーバードビジネスレビュー編集部『セルフ・アウェアネス』(P22)
この自己認識を高める方法として有効なものの一つがユングのタイプ論をもとにして開発された MBTI の自己分析メソッドです。 MBTI は、一人ひとりが、自分の心を理解し、自分をより生かすための座標軸として活用することを最大の目的にしています。
こんな方にお勧め
- 自分自身を客観的に分析したい方
- 自分のリーダーシップについて検討したい方
- キャリアについて考えたい方
- 自分の心の成長を促したい人
- 研修を企画する人事、研修担当の方
MBTIとは?
MBTI は、心理学者 C・G・ユングの心理学的タイプ論をもとに、日常生活で活用できるように開発されました。30 言語に 翻訳され、50 カ国で利用されている国際規格に基づいた性格検査であり、年間約 500 万人もの人が受講する世界で最も 活用されている自己分析メソッドです。米国では、フォーチュン 100 のうち 7 割が MBTI を用いた研修を実施している他、 多くのビジネススクールが学生が自分の特性を理解した上でキャリア・プランニングを行うために実施されています。
MBTI が、他の心理検査と大きく違うところは、検査結果はあくまでもきっかけに用い、専門のトレーニングを受けた MBTI 認定ユーザーの支援を受けながら、MBTI に回答した本人が、自分についての洞察を深め、自分のもっともしっくり くるタイプを見つけ出すプロセスそのものを重視しているところです。また、人のこころの構造がわかるため、自分に ついてよく知るだけでなく、自分とは異なる認知を持つ他人の理解にもつながり、協働を促進することが出来ます。
MBTIは、「キャラクター(生まれ持った性格)」を理解しようとするメソッド
人の性格は、「キャラクター」と「パーソナリティ」に分けて考えることができます。前者のキャラクターは、生まれ 持った性格であり、パーソナリティは、社会に適用するために後天的に身に着けた性格であり、役割性格とも言えます。 MBTI では、生まれ持った性格であるキャラクターに焦点をあて、自己理解を深めていきます。
MBTIの指標
右利き・左利きのように、こころにも自然とエネルギーが向く方向があり、8つの指標を掛け合わせ16のタイプで 分類されます。
【8つの指標】
- 心のエネルギーが注がれる方向
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- 外向 自分の外の世界
- 内向 自分の内なる世界
- 情報をどのように知覚し、どのような種類の情報に惹きつけられるか
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- 感覚機能 五感を通じて認知される知覚データ
- 直観機能 ひらめきを通じて認知したものごとの関連性や抽象的なデータ
- 収集した情報から結論を導いたり、判断する機能
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- 思考機能 ものごとについて因果関係の分析に基づいて判断する
- 感情機能 個人的な価値観や対人関係への影響に基づいて判断する
- 外の世界に対する接し方
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- 判断的態度 外界を体系立てたり、まず状況を判断しようとする
- 知覚的態度 外界からの新しい情報を取り入れてその場その場で臨機応変に対応しようとする
ビジネスにおけるMBTIの活かし方
ビジネスにおいては、以下のように様々な目的に活用することができます。
- 自身の認知・思考のパターンや癖を知り、意志決定の質を向上する
- 会議ファシリテーションに応用することで、集団の意志決定の質を向上する
- 部下のタイプを考慮しながら、適切な指導につなげる
- 自分の特性にあったキャリア・プランニングや、リーダーシップ開発、ストレスマネジメント
企業での活用例
丸井グループでは、役員の特徴や多様性の本質を伝えるために、MBTI のタイプを公開しています。
丸井グループでは、社外を含む全役員・監査役が自己理解を深め、今後の自己成長につなげることを目的に、国際規格に 基づいた性格検査 MBTI® を受講しました。その結果、丸井グループの役員・監査役の持って生まれた性格 (Character) が、 非常に多様性に富んでいることがわかりました。そこで、ビジネススキルだけではお伝えできない役員の特徴や多様性の 本質をお伝えするために、MBTI のタイプを公開することにいたしました。
丸井グループ役員の性格 (Character) に迫る:共創経営レポート 2019
https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/pdf/i_report/2019/i_report2019_29.pdf
セッションの進め方
MBTI のセッションは、質問紙の受検により導き出された結果をもとに、さらにエクササイズを実施し、体験的に MBTI のフレームワークを理解しながら、自己理解や他者理解を深めて行きます。
理論を頭で理解することには限界があります。エクササイズによって、自分の心の動きを感じつつ、タイプの しっくり感や違和感が自分の理解を深めることに繋がります。
進め方
【講義】MBTI の基本知識
【受検】MBTI の受検・質問紙集計
【ワーク】タイプの理解を深めるエクササイズ
【講義】MBTI の活用
【ワーク】ふりかえり
セッションの申込み
- 個人セッション
- 会場:大阪市内のカフェ等で実施します。
時間:3時間程度
受講料:30,000 円(消費税込み)、ご自身のカフェ代等はご負担ください。
お申込み:お問い合わせフォームよりご連絡ください。 - グループセッション
- 公開講座は、こちらより日程をご確認ください。
- 企業研修
- お問い合わせフォームよりご連絡ください。