こんにちは。1級技能士の越です。
弊社では、3本の仕事と治療の両立に関する更新講習を実施しています。
各講習に共通して、「個人支援」と「組織支援(環境への働きかけ)」の観点から事例検討を行っています。
仕事と治療を両立する上で、「働き方」は個人の努力だけではどうにもできない要素も多々あり、環境面のサポートが重要であるからです。
そして、3本の講習の組織支援で共通してお伝えしているのが、
「組織支援のコツ」です。
今日は、その中でも「リテラシーUP」の重要性をお伝えします。
1.なぜ両立支援において「リテラシーUP」がすべての鍵なのか
両立支援というと、まず「休暇制度」や「短時間勤務」といったハード面の整備を思い浮かべがちです。しかし、それ以上に組織全体の「リテラシー向上」の方が実は重要なのです。
なぜなら、様々な疾患の症状は個人差が極めて大きく、経験のない人がその苦しみを想像することは非常に困難だからです。この「見えない苦しみ」への無理解が、職場でのハラスメントや孤立を招いています。
例えば、講習を受講された方から、こんな事例が語られました。
「更年期で一番しんどかったのは、他の女性から、私はそんなにひどくなかった。これくらいできるでしょう?と理解して貰えかかったこと。女性同士でも分かりあえない。」
「私はPMS(月経前症候群)がひどくて、生理前はいつもイライラしたり悲しくなったり感情が不安定になります。そんなときにミスをして、思わず泣いてしまって。人事評価の面談で、職場で感情的になるなと注意を受けました。でも、きっと話しても理解して貰えないだろうし、、、」
症状に個人差があることが分かっていたら、どう対応が違ったでしょうか?
PMS(月経前症候群)という症状があることを知っていたら、それを話し合える職場であったら、働きやすさはどう変わるでしょうか?
まずは、社会の理解者を増やしていくことが、我々キャリアコンサルタントにとっても重要な課題であると考えます。
2.リテラシーUPは「治すため」ではなく「偏見をなくすため」
WHO(世界保健機関)の「包括的メンタルヘルス・アクションプラン2013-2030」等では、リテラシーUPのゴールは症状の改善(医学的アプローチ)ではなく、「偏見の軽減」にあるとされています。
組織が目指すべき3つの方向性
WHOのロジックを職場の両立支援に当てはめると、リテラシーUPの役割は次の3つに集約されます。
- 偏見の除去:「更年期は病気ではない」「甘えだ」という誤解を解き、正しい医学的知識を浸透させる。
- 援助希求行動の促進:当事者が「早期に助けを求めやすい(受診する・相談する)文化」を作る。
- 社会的包摂:症状があっても排除されず、役割を果たし続けられる「環境調整」を行う。
3.実務に活かす:キャリアコンサルタントの「見立て」と「介入」
両立支援では、多角的に相談者の状況を捉える「生物・心理・社会モデル」の視点が不可欠です。養成講座では学ばない内容ですので、ぜひ、更新講習で実務に役立つ知識をつけましょう!
生物的要因:脳や臓器といった体の一部や体の構造による要因
心理的要因:気分や感情、思考や行動といった個人的な要因
確認する。
社会的要因:個人を取り巻く環境、職場、配偶者や家族といった外的な要因
この3つの観点から、問題把握・介入を行うことで、多面的な支援につながります。
おわりに
更年期離職の理由の第1位は、「仕事を続ける自信がなくなったから」です。もし、その自信が「周囲の無理解」によって削られていたとしたら、これほど惜しいことはありません。
職場でのリテラシーUPは、当事者だけでなく、将来そのステージを迎えるすべての社員にとっての「安心感」という資産になります。
本講習では、具体的なケース検討を通じて、個人と組織へのアプローチを学びます。実践的な支援のスキルを、共に磨いていきましょう。
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