女性の就労率が上がり、女性特有の体調変化が仕事に悪影響を及ぼすことを防ぐ取り組みが注目されるようになりました。女性の場合、40~50代に、体力の低下や精神的落ち込み・睡眠障害・体の痛みなどの更年期症状を経験する人が約40%いることがわかっています。
症状には個人差がありますが、重い症状の場合、職場の理解や支援を得られず、「仕事を続ける自信がない」「管理職として責任ある立場はこなせない」など、仕事との両立に悩み、離職するケースもあります。
また、更年期障害は心理支援だけではうまくいきません。講義では、「生物・心理・社会モデル」を紹介し、多面的に支援ができる力を養います。
本講習では、仕事と更年期障害の両立に悩んでいる相談者の状況を理解するための知識を獲得し、事例によって個人と組織に対する具体的な支援を検討します。
ご受講頂いた皆様のご感想
更年期症状への知識不足理解不足により、当事者へのサポート体制構築が後回しになっているために、雇用劣化、人材の損失が起きている現実があることを確認した。 ジェンダー、多様性など社会全体のテーマに広がりがある今こそ、社会全体で知っていくこと、テーマとして語り合える社会としていくことが何よりも大事と思った。キャリア支援者として、更年期の症状をキャリア中断や諦めにつなげないという、軸と信念とをもって支援をしていきたい。(M様)
更年期障害に対する知識が乏しいと、職場で偏見やハラスメントを生む要因になってしまう。上司は積極的に職場の理解を促進するための活動を行い、特に部下には研修会等を通じて知識の修得に努めるようにすべきである。悩みはひとそれぞれであるので、当事者が何を望んでいるのかを個別の面談でよく聞き、対応策を考えることも大切である。自らの職場において、一気に行うことは難しくても、少しづつ進めていきたい。(てつ様)
女性の社会進出が進む中でこれまでフォーカスされにくかった部分での学びでした。男性社会で女性が活躍、働く年齢が長くなったことなどを踏まえてとても考えていかないとならないと改めて感じた。環境や経験・年齢とともに変化していく自己概念を掘り起こし、必要以上に現状の職業に固執していないか?などこれをきっかけとしてご自身のキャリアを客観的に見直す支援も積極的に行っていきたい。(ともこ様)
今後は、更年期を自然なライフステージの一つとして捉え、職場全体で支え合う意識を醸成することが、働く女性の仕事と更年期障害の両立にとって不可欠と考えます。「更年期は“終わり”ではなく、“転機”。この時期をどう過ごすかで、これからの人生の質が大きく変わると考えています。無理をせず、でも未来に希望を持って、あなたらしいペースで歩んでいく方法を一緒に考えましょう」と提案する。(すまいる様)
今後私が更年期障害の症状で悩んでいる方の相談を受けた場合は、まずは個人差が大きいことを意識し、本人が何を望んでいるのかを理解し、対応します。また、機会があれば今回学んだ事例を企業に紹介し、導入を提案することも行っていきたいです。更年期障害と仕事を両立できる人がひとりでも多くなるような活動をしていきたいと考えています。(T様)
心理的にも生物的にも社会的にも支援が必要であること。それが重要であること。今後はこの3つの要因を踏まえつつ、多面的・包括的に問題把握し、どのような支援が適切かを考え、実践していこうと思っています。具体的には、カウンセリング場面で更年期障害で職場で理解がない上司からのパワハラ発言があった場合、上司だけではなく、社内全体での更年期障害の身体的症状やストレスに関する支援研修実施の提案をしたいし、個人への傾聴と心理的支援をしていきたい。(ヒトミ様)
職場における両立支援として、まずは本人だけでなく、周囲も正しい知識を持つことの重要性を感じました。今の会社ではハラスメント教育はありますが、その中に更年期に関する話がなかったように思いますので、提案してみたいと思いました。女性活躍が社内でも取りだたされていますが、成功のロールモデルだけではない、個人に合わせた柔軟なモデルを受容する仕組みが必要だと感じました。10年程度で症状が緩和すると、その後は黄金期という希望を持ちつつ、我慢するだけではなく、市販のサプリメントや対処法は様々あるので、自分にあう乗り越え方を楽しみながらみんなの更年期を過ごしていけるよう支援したいです。(しんさん様)
当事者にしても、管理職にしても、まずは「更年期障害」に対する正しい理解が必要だと思いました。まずは、当事者向け、管理職・部下向けの更年期障害に対するセミナーや研修などで理解促進することで、更年期に対する理解が醸成されれば、制度も設計しやすく、活用されると思います。社内では、女性管理職を増やす方針ですが、女性の管理職を増やす=更年期障害がテーマになると思うので、今後、セミナーなど開催できたらよいと思いました。(あお様)
本講習を通じて最も大きな気づきとなったのは、更年期障害は単なる個人の健康問題ではなく、職場全体の働き方や支援体制と深く関わるキャリア支援の課題であるということです。特に印象的だったのは、「生物・心理・社会モデル」による多面的なアセスメントの重要性であり、身体的な不調だけでなく、感情や環境、人間関係といったさまざまな要因が影響し合っているという視点は、今後の支援において不可欠だと感じました。まずは、企業の管理職層に対して「更年期リテラシー研修」の重要性を問いかけ、支援する側の理解と共感を育てる場をつくりたいです。(Aya’Ts様)
今回の講習を通じて最も大きな気づきは、「更年期障害は個人の体調問題にとどまらず、職場の理解や体制によって支援の質が大きく左右される」ということでした。以前は“更年期”という言葉に対して漠然と「誰にでも起こる一時的なもの」と受け止めていましたが、実際には症状の程度や期間も人それぞれで、仕事や人間関係に大きな影響を与えることを改めて理解しました。今後は、体調不良や変化に戸惑う同僚がいた際に、「何か気になることはありませんか?」と静かに声をかける姿勢を持ちたいと思います。(しーちゃん様)
更年期障害については、なんとなくの印象で把握をしていましたが、今回具体事例や症状を学び、思った以上に業務に支障をきたしうるものであり、また、自分の体や気分=プライベートな問題と認識してしまうために、気軽に相談ができないなどによって、深刻化しうるものなのだということを理解しました。ケースがでたときに慌てたり、ひたすら個別対応するのみではなく、研修などの形で、更年期障害について全体の知識として知っておく土壌をつくること、起きたときにどのようにふるまえばいいか管理職層へのインプットを進めること、機密情報が守られる社外の相談窓口がすでにあるので、更年期障害と思われる症状で業務に支障がでていると感じたときにも使ってもらえることなどを行っていけると良いと思いました。(きゃお様)
キャリアコンサルタント更新講習スケジュール
仕事と更年期障害の両立支援~支援のための基礎知識と事例検討~
認定時間:オンライン2時間+事前・事後課題各1時間:合計認定4時間
受講料:9,500円
日程:2025年6月5日(木)19:00〜21:00
2025年8月14日(木)19:00〜21:00
お申込みはホームページからお願いします。

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